コラム詳細Details of the column

個人事業と、法人事業との選択有利判定について
法人設立
2013.09.2

個人事業と、法人事業との選択有利判定についての結論

個人事業が良いのか、法人事業が良いのかの判断は次のポイントに分けて考えます。

  • 1)金銭的メリット・デメリット
  • 2)税金的メリット・デメリット
  • 3)商取引上のメリット・デメリット
  • 4)その他の状況

個人事業と、法人事業との選択有利判定についての説明

個人事業が良いのか、法人化した方が良いのかは一概にどちらが良いと判断は難しいといえます。
難しいという事は、どちらかが一方的に有利という事が無いという事です。

つまりどちらが良いのかは、

  • ①それぞれの制度を整理し、
  • ②ポイント別にメリット・デメリットを知った上で
  • ③自分の事業の目的を達成するのはどうすると一番良いのか?

という視点で考える必要があります。

~ポイント①:金銭的メリット・デメリット~

金銭的な切り口で見てみましょう。
個人であろうと、法人であろうと、売上・経費に掛かる金額は変わらないと思います。
となれば、何が異なるのでしょう。

それは、臨時的にかかる『経費』が違ったり、『経費』の取り扱いが若干異なるのです。
主なものとしては下記のようなものがあります。

法人の場合 個人の場合
初期費用 法務局への登記が必要なので、初期費用がかかる 税務署への届出だけで始められる
交際費 *全額は経費にならない
(*H25年現在)
全額経費になる
保険料 一定の条件のもとに経費にすることができる 生命保険料控除の対象になり、経費になる金額が法人の場合より少ない場合が多い
社会保険料 加入義務あり 一定の条件であれば、加入義務の対象から外れる
その他 定期的な登記の更新手数料あり 登記関係費用無し

~ポイント②:税金的メリット・デメリット~

税金的な切り口で見てみましょう。
法人の場合は、「法人税」の対象となり、個人の場合では、「所得税」の対象となります。
それぞれで、税率が異なりますので一概にどちらが有利という事はありませんが、利益の金額が低ければ「所得税」、高ければ「法人税」の方が税率は低いと言えます。

しかし、次のポイントは押さえましょう。

  • ①法人税の方が税率は低くても、自由に使えるお金として社長の手元にお金を渡すには、役員報酬か、配当等という形式で戻すことになります。
    結局はその際に「所得税」がかかってしまいます。
  • ②中長期的な展望として、法人税は減税の方向。所得税は増税の方向で税制改正がなされています。

また、法人の場合は赤字決算であっても、住民税(均等割りと言われます)がかかってしまいます。

~ポイント③:商取引上のメリット・デメリット~

これは、取引先が法人格を求めるのか、求めないのか?という視点になります。
また、従業員の採用の際、法人格が合った方が従業員がより安心するので、という視点で考えられる経営者の方もいます。

~ポイント④:その他の状況~

いくつか考えるポイントがありますが、例えば、成長ステージによる視点というものがあります。
新設法人は、一定の条件を満たせば「2年間消費税の納税義務が免除される」という規定があります。
つまり、事業規模が小さいうちに法人化せず、ある程度事業規模を拡大させてから法人を設立することでこのメリットをより享受することも可能となります。

<最後に>

今回は、簡潔にまとめるため、主なポイントを列挙しましたが、他にも色々切り口があります。

また、法人事業をするにせよ、「株式会社」が良いのか?
他にも「合同会社」や「一般社団法人」、「NPO法人」などの法人格もあるので、事業の目的や中長期的な展望を基に最適な事業形態を選ぶことをお勧めします。

執筆者情報

小澄 健士郎(Kenshiroh Kosumi)
小澄税理士事務所
カテゴリ:税理士
会計は"未来を創る"ためにある
相談者様へMessage
日々の経営において経営者の方の悩み・問題は多岐にわたります。そんな時はぜひ当時事務所を活用ください。専門士業との連携も深く、様々な悩みに応えられる体制を整えています。

more